環状剥皮('19.2.6)
今年予定のブドウの環状剥皮について考えてみました。
剥皮するところはブドウの幹の樹皮に近い師管部分です。
道管部はその内部にあり、死細胞の細胞壁からできていて主に根から水分などを運ぶ働きがあります。これを遮断すれば木は枯れてしまいます。
師管部は生細胞からできています。つまり、時がたてば細胞が復活することを意味しています。
ぶどうの着色向上には、地下部への同化養分の移動を抑制し、果実への配分を高める環状剥皮が有効であり、短梢せん定仕立ての場合、満開から30~40日後に、5mm幅の剥皮を行うのが最適とされています。
<環状剥皮マニュアル>
1.処理時期は満開後30~35日,この時期は着色が始まる2週間前にあたる。適期を逃すと効果が劣る。
2.剥皮処理は主幹(処理位置の高さは効果に関係ない)に幅5mmでおこなう。広い幅でも効果は変わらず,ゆ合不良が発生することがある。
3.剥皮は内側の薄皮(師部組織)もきれいに取る。薄皮が少しでも残ると効果は大きく劣る。薄皮は時間が経つと褐変するので確認できる。
4.剥皮部の木片のなどのごみはきれいに取り除く。
5.剥皮部は幅の広いビニールテープなどで保護する。
6.約1ヶ月たったらテープを取る。(テープがあるとコウモリガ等の食害を受けやすい)
注意点
・着果過多の樹に剥皮処理を行っても効果はほとんどない。
・樹勢の弱い樹はゆ合が劣るので,新梢長70cm未満,新梢径7mm(鉛筆大)未満の樹には処理を行わない。
・剥皮後は極端な乾燥を避け,かん水を適宜行う必要がある。
・コウモリガ、クビアカスカシバの食害に注意すること(特に山間部)。
・木部を深く傷つけると樹液がでる。
<広島県立総合技術研究所農業技術センター果樹研究部より引用>
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